MUDは印刷や画面、サインなどの2次元の表記に対する配慮手法だと思われがちです。
でも、使いにくいことで情報が伝わらないこともあります。
大村印刷株式会社(本社山口県)が開発した『MUD 2012 MUD CALENDER』。
第5回メディア・ユニバーサル・デザインコンペディション(MUDコンペ)で
一般の部 経済産業大臣賞を受賞しました。
この作品のポイントは、形状にあります。
従来の卓上カレンダーは紙をつまみ、下からめくりあげて月を変えます。
それに対し、このカレンダーは上から下へ倒すことで月を変えます。
上部には月別のインデックス加工もされ、軽く手を添えるだけでめくことができます。
また、倒れた紙面が平面上にありますので、メモなどの書き込みもし易くなります。
手の不自由な方や、高齢者にも使いやすいデザインが評価されました。
もちろん表示も、曜日グループにラインをつけて認識しやすくし、数字も大きく見やすくしてあります。
このアイデアは、指を欠損された方が「つまむ」「めくる」ことが苦手とおっしゃったことがきっかけでした。
こうしたヒラメキが、使いやすい製品を生み出すのですね。