MUDのヒント「形状へのMUD配慮」で、より見やすく使いやすく

MUDは印刷や画面、サインなどの2次元の表記に対する配慮手法だと思われがちです。

でも、使いにくいことで情報が伝わらないこともあります。

そんな不便に気づいて開発された作品があります。

mud7

mud8


大村印刷株式会社(本社山口県)が開発した『MUD 2012 MUD CALENDER』。

5回メディア・ユニバーサル・デザインコンペディション(MUDコンペ)で

一般の部 経済産業大臣賞を受賞しました。

 

この作品のポイントは、形状にあります。

従来の卓上カレンダーは紙をつまみ、下からめくりあげて月を変えます。

それに対し、このカレンダーは上から下へ倒すことで月を変えます。

上部には月別のインデックス加工もされ、軽く手を添えるだけでめくことができます。

また、倒れた紙面が平面上にありますので、メモなどの書き込みもし易くなります。

手の不自由な方や、高齢者にも使いやすいデザインが評価されました。

 

もちろん表示も、曜日グループにラインをつけて認識しやすくし、数字も大きく見やすくしてあります。

 

このアイデアは、指を欠損された方が「つまむ」「めくる」ことが苦手とおっしゃったことがきっかけでした。

こうしたヒラメキが、使いやすい製品を生み出すのですね。     

11月13日開催「パラスポーツを知ればビジネスが変わる。」

mud1

2020年開催の課題解決からビジネスのヒントを探る—
 

2020年東京オリンピック・パラリンプックを控え、国家レベルでその準備が急ピッチで進められています。

 

超高齢化、そして目前に迫った2025年問題などまさにバリアフリー、ユニバーサルデザインのまちづくり・国家を目指す上で大きなヒントとなるのがパラスポーツ(障がい者スポーツ)の最高峰であるパラリンピックの開催です。

 

東京オリンピック・パラリンピックに向けて、高齢者や障がい者にかかわる意識・環境が大きく変わろうとする中、高齢者や障がい者スポーツの支援・普及活動の重要性と、高齢者や障がい者・外国人にも確実に情報を伝えるため(情報のUD化)の配慮手法の必要性を伝えることを目的に企画されたイベント「パラスポーツを知ればビジネスが変わる」が開催されました。

会場は満席御礼。ユニバーサルデザインに対しての高まりを感じます。
 

 —パラスポーツ(障がい者スポーツ)とは?パラリンピックとは?—

mud2


前半では、NPO法人アダプテッドスポーツ・サポートセンター理事長の髙橋 明氏が講演。障がい者・高齢者のスポーツの種類、ルールなど、そしてパラリンピックの成り立ちや歴史、競技種目などについて、また、パラリンピック日本選手団役員として多くの大会に参加されてきた経験から日本開催において取組むべき課題等についてお話頂きました。

mud4
 

n  目が見えない方同士がどのように待ち合わせをしているのか

n  耳の聞こえない夫婦が子供を産んだ際に、子供が泣いていることに気付きやすくする工夫

n  耳が聞こえない方がどのように携帯電話を使っているか

 

など、様々な具体例や映像を交えた熱のこもったご講演を頂きました。

 

「私たちが座ることで、車椅子バスケットを楽しめる」

 

という言葉に表されるように、障がい者スポーツが、障がい者の“ための”スポーツ、から障がい者“と一緒に楽しめる”スポーツという考え方に変わって来ているというお話や、

 

「わたしの大切なものは、今持っているものであり、失ったものではない」

 

という、失ってしまった機能ではなく、残っている機能を活かす工夫やデザインを考えるというお話が非常に印象的で感銘を受けました。

 

—「なぜ社会はメディアユニバーサルデザインを必要とするのか?」行政、企業が取組むバリアフリー、ユニバーサルデザインの取り組み最新事例—

mud5


後半では、メディア・ユニバーサル・デザイン協会 理事の阿部 浩之が講演。

 

ここ数年急速に取り組みが広がった情報媒体・サイン表示類等におけるユニバーサルデザインの最新事例や、これからの時代のキーワードである4K(環境・健康・高齢者・危機管理)を前提に各分野でどのような価値提供が必要とされているのかについて、2020年に向けて整備しなければならないハード・ソフトのインフラについてお話しさせて頂きました。

 

以上、大盛況にて幕を閉じた本イベント。2020年の東京オリンピック・パラリンプックに向けて、高齢者・障がい者スポーツの動向は随時チェックして行きたいですね。

 

■イベント情報

タイトル:

「パラスポールを知ればビジネスが変わる。」

主催:

・特定非営利活動法人アダプテッドスポーツ・サポートセンター

http://www.assc.or.jp/
asc

・特定非営利活動法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会

http://www.media-ud.org/
mud6
 

日時:

20141113日(木)

場所:

日本印刷会館

 

(ライター:野村 岳史)

ひろしのつぶやき その2

3月13日に開催された、MUD教育検定3級東京会場での出来事です。



色覚の講義で出来るだけ避けたい色の組み合わせの説明がありました。
「赤と黒」「水色とピンク」
「オレンジと黄緑」
それを聞いて教室内を見渡したら、中央右側の壁にかかっていたポスターは
避けたい色の組み合わせの代表的な使い方をしてましたよ。
受験者の皆さん気がつきましたか。

確認したい方は印刷会館まで行ってください。 ヒロシです。



 
検定試験が終わり教室を退出する方に感想を聞いたら、
「右手が震えてきましたよ。最近文字を手書きしてないなー」、
「最近文字はキーボードだけだもの。字を書くのがこんなに体力がいるとは
思わなかった」
こんな言葉がささやかれていました。

MUD教育検定3級は筆記問題があります。
利き腕の腕力を鍛える事が合格の第一歩かな?  ヒロシです。